堂島酒醸造所 訪問
大阪の酒造会社、堂島酒醸造所は英国で特別なプレゼンスを確立しており、ケンブリッジシャー州郊外で酒造りを行っています。ジャパンソサエティのご手配により弊社は、同社の酒造りの舞台裏を特別に訪問することができました。堂島酒醸造所は旧荘園領主の城フォーダムアビー(Fordham Abbey)が建つ場所にあり、近隣には大聖堂の街イーリー(Ely) があります。訪問客は茶室が併設された美しい庭園を楽しむことができ、我々が訪れた時は英国裏千家財団のメンバーによって抹茶がふるまわれました。
日本酒は米、水、麹から作られます。同社がケンブリッジで醸造する日本酒の米は日本から輸入されています。山田錦(兵庫県)と秋田こまちをブレンドし精米歩合60-70%のものが使われます。堂島は大阪中心部に位置し、江戸時代には米市場がありました。
水は地下35メートルの源泉から汲み上げられ、鉄分をろ過により除去した純軟水となっています。麹は日本から輸入されています。
酒造りを行う杜氏は、米を洗う大切な作業から始まり、そして蒸すという厳格な工程全てを取り仕切ります。橋本氏は酒蔵内の麹と発酵専用の作業所を案内してくれました。そうした工程を経て、2種類の日本酒が造られます。純米酒Dojima (堂島)は、酒蔵の設立を記念して全てのボトルに1から1,000まで番号が付されています。ヴィンテージのCambridge (懸橋) は、熟成され幾分甘味を感じる日本酒です。
堂島酒醸造所は、その起源を1822年まで歴史を遡る大阪発祥の会社で、今も橋本家が経営しています。ケンブリッジ近郊で酒蔵を持つことは、「日本の文化を世界で分かち合う」というビジョンの一環です。
ケンブリッジで作られる日本酒は一瓶1,000ポンドで販売され、購入した人は会員になることができるシステムがあります。会員の権利として、毎年の酒フェスティバルなど様々なイベントが催されるフォーダムアビーへの特権的アクセスなどがあります。多くの日本の趣が感じられる美しい庭園を訪れることを是非お勧めします。