ターゲットの選定
ギディオン・フランクリンは、弁護士事務所の3CS コーポレートソリシターズ と公認会計事務所のGreenback Alan 会計事務所 が共催した合同ウェビナー「M&A 取引~税務・財務・法務面から見た考察~ターゲットの選定」にゲストスピーカーとして参加しました。ウェビナーは、2021年6月17日9時~10時 (英国時間)に日本語で行われ、欧州と日本を拠点とする日本企業が参加しました。以下の4点が主要トピックでした。
- ターゲットの特定-リサーチ、オークション(入札)方式、既存の関係、紹介などのルート
- ターゲットへのアプローチ-社内での同意を含む準備および段取り
- 基本合意書(レター・オブ・インテント)の締結 - 成功の鍵となる要素
- 顧客からよくある質問への回答~税務/財務面及び法務面
ギディオン・フランクリンによるプレゼンテーションでは、M&Aの実践的なポイントに重点が置かれ、具体的な例として、ターゲットの特定のフェーズでのティーザーのチェック項目とプロセスレターの主要ポイントについて説明がなされました。特にエクイティバリューとエンタープライズバリューの定義が混乱する場合の論点に焦点をあて、初期の段階でこれを明確にする必要があると説明しました。
ターゲットへのアプローチに関しては、成功の可能性を最大限にするためにアドバイザーに提供すべき情報について提案しました。また、コールドコールは慎重に計画する必要があることや、時には業界見本市などのイベントの場でアプローチするのが適切であることを説明しました。
基本合意書の締結によってはじめてアプローチが具体化します。そのためには、経営企画、財務、営業などの部門、場合によっては社外取締役も含めた社内での同意を得ることに多大な配慮をする必要があります。弊社は、基本合意書の様々な様式と記載すべき項目の選択肢について説明し、またこの初期段階でのれんの影響を評価することを提言しました。
3CSコーポレートソリシターズのスピーカーである三富博子氏は、M&Aのターゲット選定のフェーズで法的観点から顧客によく聞かれる約10点の質問に沿ってプレゼンテーションを行い、秘密保持のために必要な措置を講じ、独占禁止法に違反していないことを確実にするために弁護士が果たす役割について詳しく説明しました。
Greenback Alan会計事務所のスピーカーである高西祐介氏は、会計の観点から留意すべきポイントについて話し、早い段階から準備していれば、いかに大幅なコスト削減が可能であるかについてケーススタディを使って説明しました。税務上考慮すべき点、無形固定資産の扱い、株式買収vs事業買収などがトピックに含まれました。
その後の質疑応答では、キース・マクアリスター氏(3CS)とジョン・フィッシャー氏(Greenback Alan)がパネルに参加し、最初から期待値を正しい水準で設定し、全員が合意することがあらゆるM&Aプロセスの成功を決める重要な過程であるという自らの経験に基づいて語りました。
スピーカー
3CS コーポレートソリシターズ
三富博子氏
代表取締役
キース・マクアリスター氏
ダイレクター
Greenback Alan 会計事務所
ジョン・フィッシャー氏
副マネージングパートナー