GREAT Weeks
「UK in JAPAN 2019-20」キャンペーンは、ラグビーワールドカップ2019、東京オリンピック・パラリンピック2020に合わせて、2020年9月まで駐日英国大使館が中心となって開催する一連のイベントです。このイベントでは、ビジネス、科学、イノベーションの分野で5つのGREAT Weekを展開し、2019年9月にはフィンテックとサイバーセキュリティーに焦点をあてた金融サービスの未来をテーマに最初のGREAT Weekを開催しました。
弊社は、定期的に駐日英国大使館と協力しており、一例として2017年にMegatech: 2050年の技術と題したセミナーを開催しました。またこの3年の間に、東京と大阪の大使館職員を対象にM&A Teach-Inセミナーを2回行いました。こうしたセミナー開催の背景には、英国が一般的な海外直接投資において欧州第一位の投資先であると同時に、日本企業によるM&Aの対象国として欧州トップを維持し、投資において重要な位置づけにあるということがあります。
5つの GREAT Week
2019年9月:金融サービスの未来
金融サービスにおける英国の主要な政策分野を紹介し、英国をフィンテックおよびサイバーセキュリティのグローバルハブおよびパートナーとして紹介しました。
2020年2月:脱炭素化・クリーンな成長へのアプローチ
今年11月開催のCOP26の議長国としての気候変動分野の優先テーマ、洋上風力に関する英国の政策と技術的な取り組み、脱炭素化に向けた投資機会の紹介、アフリカにおけるエネルギーアクセス、水素エネルギーなどのテーマを通じ、脱炭素化と経済成長の両立を目指す「クリーンな成長」に向けて日英の協働を促進します。
2020年5月:モビリティの未来
Clean, Connected, Accessibleをテーマに、自動運転、CAV、低炭素、サイバーセキュリティをはじめ、英国が描く未来のモビリティについて紹介します。またパラリンピックと関連させて、身体障がい者の移動とアクセスに関する問題への解決方法を探索します。
2020年6月:高齢化社会の課題と商機
英国は、健康長寿の実現に向けて、政策、産業、地域のイノベーションを進めています。 高齢化社会がもたらす課題と商機を検証し、英国と日本の協働と未来のパートナーシップの在り方を提案します。
2020年7月:創造力とテクノロジー
英国を創造力のグローバルリーダーとして位置づけ、芸術・デザインと人工知能やロボットなど最新のテクノロジーとどのように交わるのかを紹介します。
テック・ロケットシップ・アワード
GREAT Weekの代表的テクノロジーにおける4つのビジネス分野の企業に対して特別賞が授与されています。このアワードがどのようなものであるかについて駐日英国大使のPaul Madden氏はNikkei Asian Reviewの記事で以下の様に説明しています。
受賞者は、意欲的かつグローバルな拡大が可能であり、英国および欧州市場に適合すること、そして国際的拡大がすぐにでも可能であることを実証できる企業です。
選ばれたスタートアップは、2020年6月の英国視察ツアーに招待され、アドバイザー、潜在的投資家、より広範なテック・エコシステムの主要プレイヤーとのミーティングを行うことで英国での起業を迅速に実行できます。また、London Tech Weekに出席する機会も与えられます。
テック・ロケットシップ・アワードは、日本のスタートアップにとって絶好のチャンスとなります。英国が誇る世界随一の研究・開発のエコシステムを活用し、イノベーションの劇的加速や新市場への事業拡大が可能となります。
応募方法を含むより詳細については、「UK in JAPAN 2019-20」ウエッブサイトのテック・ロケットシップ・アワードのページをご覧ください。応募締め切りは2020年1月31日です。
金融サービスの未来
この週は、企業、規制当局、および政府のための日英間のパートナーシップ強化を主な目的に掲げ金融イノベーションの拠点(ハブ)として英国を紹介しました。
Innovate FinanceのClare Black氏が基調講演を行いました。Innovate Financeは、英国におけるフィンテックの独立業界団体として、シードステージのスタートアップから世界的金融機関やプロフェッショナル・サービス企業まで250社以上の会員を有します。同団体は、英国のグローバル・フィンテックのコミュニティをつなぐことを役割としています。Black氏は、英国に規制当局による理解とインセンティブがあることで、いかにフィンテック育成のための素晴らしい環境を提供するかについてスピーチしました。
次に、金融行為監督機関(FCA)で新たに作られたイノベーション部門の初代ディレクターを務めるNick Cook氏がプレゼンテーションを行いました。彼は、認可企業、認可が必要な無認可企業、及び英国の金融サービス市場にイノベーションをもたらそうとするテクノロジー企業むけに開放された、いわゆるレギュラトリー・サンドボックス「規制の砂場」について概要を説明しました。詳細については、こちらのウェブサイトをご覧ください。https://www.fca.org.uk/firms/innovation/regulatory-sandbox. 2016年5月の導入以降、100社以上が5つのコホートに参加しています。
また、英国大使館においてパネルディスカッション「Fintech Night」が英国大使館のHead of InvestmentであるDarren Goff氏の司会で行われ、その後、フィンテック企業11社(B2C2、CCL、CriticalBlue、CyNation、Elliptic、Evolution AI、Heliocor、iProov、Protective Intelligence、reinfer、Thought Machine)によるプレゼンテーションも行われました。
最初のGreat Weekに関しては、こちら をご覧ください。 世界のフィンテック業界において英国が11%を占めている理由についての分かりやすい解説画像もあります(出所:City of London)。