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ハノーバーメッセで融合する情報技術 (IT)と操作技術 (OT)

ハノーバーメッセで融合する情報技術と操作技術

テクノロジー・リサーチおよびアドバイザリー分野のトップ企業ARCアドバイザリグループ (ARC Advisory Group) のDavid Humphrey 氏は、今年開催されたハノーバーメッセに関して下記の分析を行っています。弊社は、Humphrey氏およびARCアドバイザリグループと長期にわたり提携関係にあります。

ハノーバーメッセで融合する情報技術 (IT)と操作技術 (OT)
By David W. Humphrey, European Research Director, ARC Advisory Group

インダストリー4.0(Industrie 4.0) やインダストリアルIoT (Industrial Internet of Things (IIoT))などの動きを受けて、コマーシャル IT は、かつて見たことのない潮流で、従来の保守的な製造業界および加工業界に浸透し影響を与え続けている。こうした変化は、例年に比べ2018年ハノーバーメッセにおいて、また焦点をより絞った昨年11月のSPS/IPC/Drivesに比べ、一層顕著であった。今年のIT企業はIndustrie 4.0の実用的な面に焦点を当てており、今やプロダクトとプラットフォームが製造分野においてIIoTを支えるために利用できることを明確にしている。今日、ITとOTは融合させるだけでなく積極的に実用化されており、メーカーの努力が実を結んでいる。

メッセの実績

今年のハノーバーメッセの来場者は21万人となった。海外来場者比率が30%となる7万人以上がドイツ国外から来場した。国別来場者数では、中国が6,500人とトップとなり 、次にオランダ(5,300人)、ポーランド(2,700人)、米国(1,700人)が続いた。今年のパートナー国であるメキシコからは1,400人以上が来場した。

パートナー国メキシコ

今年のパートナー国メキシコは、メーカー168社および地域代表者がブースを設置し大規模な出展を行った。中でもヌエボ・レオン州が特に注目を集め、大型の展示によって、メキシコの州の中でもIndustrie 4.0のリーダーと自負する同州の全容を紹介した。州都であるモンテレイとその周辺には、目覚ましい数の工業団地とテクノロジー集団が存在する。

コマーシャルITとオートメーション・テクノロジーの融合

ハノーバーメッセは、ITとOT(コマーシャルITと従来のオートメーション・テクノロジー)が融合する場所となった。従来型の業界が変化を遂げ、インテル、SAP、マイクロソフト、IBM、HP、そしてシスコなど同業者からの“アウトサイダー”テクノロジーの増大する影響によって利益を得るスピードを実感するのは心躍るものである。今年のメッセでは、業界向けソリューションを実証するのにハノーバーがふさわしい場であることをより多くのコマーシャルITサプライヤーが認識したために、こうした傾向が拡大した。これらサプライヤーの多くが、大型のパートナー・ブースを設け、あらゆる規模のオートメーション・プロバイダーがSAP HANA、Microsoft AzureなどコマーシャルグレードITのプラットフォームで自社のソリューションをどのように実行できるかを実演していた。

製造業界におけるスタートアップ企業

通常、製造業界はスタートアップ企業のための有益な環境を提供するにふさわしいとは言えない。明らかにそれは、製造業や加工業において新たに生まれたニーズから利益を得ることに起業家を惹きつけているIT業界の影響である。これら起業家は、新しく革命的なソリューションによって従来のサプライヤーの先手を行っている。

メッセに出展したスタートアップ企業の殆どは、分析の様々な側面に着目している。現場のデータを収集・整理するのに必要なハードウェアとソフトウェアのツールを提供することでボトムアップのアプローチを行うものもある。しかし、こうしたソリューションの多くは、分析ツールの統合に十分なほど高度化していない。利用者が自らこれに対応するとの前提に立っている。

レコメンデーション

ハノーバーメッセは、ドイツと世界的大企業が毎年集まる伝統的な会合の場である。過去3年間、展示会の主催者は、従来型のプラントソリューションと現代型のコマーシャルITテクノロジーとの融合を強調した展示スペースによって、業界で急速に進む変化のペースについていこうとする姿勢を見せている。こうしてハノーバーメッセは、業界の現状をただ見るだけなく、未来を覗き見るための世界規模の業界イベントとして頂点に立った。

ハノーバーメッセ2018 CKD社展示品と弊社 CEOギディオン・フランクリン